『地球村通信』

【スペシャル対談】環境問題実践家 鈴木 武さん〔2〕

松下通信工業でリサイクルによるゴミゼロを実現し、松下全社、業界全体のゴ
ミゼロへと大きな波紋を広げていった鈴木武さん。
シリーズ後編では、横浜市での取り組みや、その後の活動、そして今後の夢を伺いました。

★横浜市のゴミ削減事業へ

鈴木  定年退職した 2002 年の9月に突然、横浜市の中田宏市長から電話があったんです。「ちょっと来てくれ」と。
高木  実は、中田さんは当時『地球村』の会員さんで、市長になった時に連絡があって「環境のことを何とかしたい。熱心な人を紹介してほしい」ということだったので、鈴木さんを紹介したんだよ。
鈴木 えっ、そうだったんですか! いま初めて知りました!「横浜市は人口 365 万人ですが、人口の増加以上にゴミが増えています。これを10 年かけて 30%減らしたい」という相談でした。それで「やればできますよ」って言って、市長在任中の8年間、一緒にやりました。

★本気でやれば、できる

鈴木  横浜市の目標は「10年で30%」でしたが、実績は「5年で30%」削減しました。ポイントはゴミをチェックしたことです。ゴミ収集車が、焼却場に入る前に中身をチェックする「チェックラインシステム」を市内すべての焼却場に作りました。無分別のゴミや他の自治体のゴミが混入していれば戻し、ごまかそうとする業者は業務停止という、厳しい措置をとりました。本気でやればできます。当時、横浜市にはゴミ焼却場が7基あり、その内2基は建替予算 1100 億円が計上されていました。それがゴミ減量の成功で建替えが不要になり、2基を取り壊して残った5基のうち、4基で運用できるようになりました。残りの1基を壊さず休止しておいたら、東日本大震災の残渣(ざんさ)処理のお手伝いができました。
高木  それはすごいね! 立替予算1100億円、運転費何百億円の節約ができたわけだ!

 ・・・



この続きは会員の方のみお読みいただけます



会員登録は
こちら