【地球は今...】世界を食べつくす国、日本
皆さんが食品を購入する際、何を基準に選びますか。今、商品の表示にフードマイレージを記載する動きがあります。
商品がどんなに遠くから運ばれてきたのか、環境にどれだけ負荷をかけているのかが分かります。
フードマイレージから私たちの食材を考えて見ましょう。
日本のフードマイレージ+ウッドマイレージ
(フードマイレージ) | = | [(輸入食糧の総重量}X(輸送距離)]の総和 |
(ウッドマイレージ) | = | [(輸入木材の総重量}X(輸送距離)]の総和 |
フードマイレージ、ウッドマイレージの高い国ほど、輸送にかかる燃料や二酸化炭素の排出量が多くなるため、環境に対して大きな負荷を与えていることを示しています。
日本は遠くから農林水産物を輸送するために莫大なエネルギーを使用し、大量に二酸化炭素を排出しています。
超フードマイレージの食糧輸入大国、日本
農水産物の輸出入差額(輸入-輸出の総額)を比較すると、日本ほど輸入に偏っている国はありません。
世界全体で日本の輸入農水産物の占める割合は、農産物が世界の8%、水産物が世界の22%。
日本の人口が世界の2%しかないことを考えると日本は世界の食料輸入超大国といえます。
私たちが毎日食べている食品がどこから届けられているかを知ることは重要なことです。
アジアの国々からはこんなものが
アジアから大量に輸入している農林水産物を挙げます (< >内は日本の自給率 )
- 魚介類<49%>
- エビ(インドネシア、タイ、ベトナム) ・イカ(タイ、中国、ベトナム)
- 貝類(韓国、中国、北朝鮮) ・マグロ(台湾、韓国、タイ) ・ウナギ(中国、台湾) など
- 野菜<80%> 果物<39%>
- 野菜(中国、韓国、台湾) ・バナナ(フィリピン) ・缶詰(中国、タイ) など
- 肉類<7%>
- 鶏肉(タイ、中国) ※肉類の自給率は、飼料の自給率を加味
- そのほか
- 植物油(マレーシア) ・ピーナッツ、栗(中国、韓国) ・漬物(中国、韓国、タイ)
- 合板(マレーシア、インドネシア、中国) ・天然ゴム(タイ、インドネシア) など
- 【アジアからの輸入品の3つの特徴】
- 贅沢品、嗜好品が多い。高級魚(エビ、マグロ、うなぎなど)、果実、ナッツ など
- 比較的広い土地が要らない鶏肉、野菜 など
- 安い労働力をかけた加工品。缶詰や漬物、フライドチキン、焼き鳥、うなぎの蒲焼、ミックスベジタブル など
遠い欧米や南米、アフリカからこんなものを大量に
アジア以外の国々から輸入されている農林水産物を挙げます (< >内は日本の自給率 )
- 野菜
- 大豆 <3%>(アメリカ、カナダ、ブラジル) ・小麦 <14%>(アメリカ、カナダ)
- とうもろこし <1%未満>(アメリカ、中国) など
- 肉類
- 豚肉 <5%>(アメリカ、デンマーク、カナダ)
- 牛肉 <10%>(オーストラリア、ニュージーランド) ※肉の自給率は、飼料の自給率を加味
- 木材 <19%>
- 丸太(アメリカ、ロシア、カナダ) ・紙の原料(オーストラリア、南アフリカ) など
- そのほか
- コーヒー(ブラジル、コロンビア) ・油用の菜種(カナダ、オーストラリア) など
- 【アジア以外からの輸入品の特徴】
穀物、食肉、油脂など広大な農地を必要とする農産物が多いため、日本の今の生活を支えるために森林破壊などを引き起こしています。
輸入による現地への影響
-
日本の大豆の輸入は、地球の肺と言われるアマゾンの熱帯林を、年々減少させています。
- 日本で健康のために植物油が推進されたため、マレーシアのやし畑(パーム油)では熱帯林の伐採が進み、さらに日本では不許可の農薬が、住民の健康被害を多発させています。
ほかにも多くの地域で、環境破壊や貧困問題を引き起こしています。
※『地球村通信』の2007年2月号、5月号もご覧ください
私たちが国内品を利用することで、ほかの国の環境破壊をストップするだけでなく、温暖化防止にも貢献できます。普段の生活を見直してみましょう。
- 輸入品をなるべく買わないようにしましょう
- 旬のものを食べるようにしましょう
- 家庭菜園や援農、植林活動など、できることからはじめてみましょう
- 自分たちで料理した食事やおやつを、家族で楽しみましょう
参考文献 書籍 : アジアを目指す飽食ニッポン(家の光協会)、豊かさの裏側(学陽書房)、世界と地球の困った現実(明石書店)