脱原発への道

福島第1原発について(3月14日朝)

●原発事故について
3月12日 福島第一原発1号機が爆発
3月14日(本日) 3号機が爆発
最悪の事態である炉芯格納容器の爆発ではなく、原子炉の建屋の爆発だった。
ある程度の放射性物質が放出され被曝者(現時点で数十名)が出ています。

【事故の経過】
①地震と同時に原発は緊急停止
 制御棒を挿入しても、核反応は3%程度は残るので(アイドリング)、冷却水の供給を続けなければならない。

②緊急電源が動作せず
 緊急用電源(ディーゼル発電機)が動作せず。
 他の発電機を手配したが、それも動作せず、冷却水の供給停止。

③炉芯溶融
 冷却水の供給停止で、炉芯格納容器内の温度と圧力が上がり、冷却水の水位が下がって炉芯が露出、炉芯熔融が始まった。炉芯格納容器の爆発は最悪の事態(チェルノブイリ級の事故)となる。

④ガス抜き(ベント)
炉芯格納容器の爆発を避けるため内部のガスを放出(ベント)をおこなった。
 これによって放射性物質が放出され、1,000マイクロシーベルト(年間安全基準1万倍)が確認された。

⑤建屋が爆発
 水素ガスが建屋内にたまり、水素爆発し建屋が吹っ飛んだ。
 さいわい、最悪の炉芯格納容器の爆発ではなかった。

⑥炉芯容器内に海水を注入
 最悪の事態を避けるために炉芯格納容器内に海水を注入。
 海水の注入は廃炉の可能性もあるので、最後の手段。

⑦炉芯の温度が下がった
 炉芯容器のガス抜き(ベント)が終わったことで、
 放射線量は70マイクロシーベルトに下がった。

★これまでの問題点
①停電によって冷却水が停止したこと。
②非常用のディーゼル発電機が動かなかったこと。
③手配した電源も動かなかったこと。
④ベントによって放射性物質が放出されたが、事前に発表しなかったこと。
⑤水素爆発の際も、事前に発表しなかったこと。
⑥政府の発表がすべて後手後手になったこと。
⑦民間メディアやNGO(原子力資料室など)の方が情報が早く正確だった。

★現在の問題点  
①冷却水の停止は、他の複数の原発でも起こっている。
②冷却水の低下で炉芯が露出すると溶融の可能性がある。
③最悪の格納容器の爆発(チェルノブイリ事故)が起こる可能性がある。
それを避けるためにベントをすれば、放射性物質が放出される。
④水素爆発の可能性がある。
⑤炉芯溶融や水素爆発によって、
 炉芯容器が爆発すると最悪の事態(チェルノブイリ級の事故)

3月14日時点では、この危険をはらんだままです。

きょうまでの事態は、原発事故の規模としては、アメリカのスリーマイル事故以上、チェルノブイリ事故に次ぐ「史上2番目の大事故」として記録されるとのこと。

国や電力会社が、これまで「原発は安全。万全の安全対策。何重にも安全装置がある」と説明していたことが、根底的にひっくり返りました。
「安全神話は崩れた」というようなレベルではなく、「安全装置はすべて機能しなかった」という深刻な事態です。緊急事態に対していかに無力だったかということが、全国民にも、全世界にも明らかになりました。
これを機に、日本だけではなく世界全体の原子力政策の見直し、方向転換を願っています。

「原子力に頼らない社会を!」
その実現は、それほど難しいことではありません。